BUSTAFELLOWS(バスタフェロウズ) AULD LANG SYNE(アダムルート)感想【ネタバレあり】
バスタフェロウズの共通の謎・その2
テウタの兄・ゾラの行方についての真相がわかるルートです。
このルートでは主にテウタの親友・アダムが中心となって話が進んでいきます。
以下、ネタバレを含んだ感想になります。
AULD LANG SYNE(アダムルート) 全体感想
共通ルートでもありましたが、テウタには警察官で現在行方不明の兄・ゾラがいます。
仕事をする傍ら、ゾラの行方も探していました。
テウタからすると兄は優しく正義感のある人物だったので事件に巻き込まれてしまったのではないかと心配しています。
そんなゾラですが、実はテウタの想像している人物とはかけ離れた人物だったことがこのルートで明らかになります。
ゾラは確かに優しく正義感のある警察官でした。
しかし、いつしかお酒や薬物に手を出すようになってしまい、どんどんと性格が歪んでいってしまったのです。
そんなある日、ゾラは人気のない小屋にテウタを呼び出し、暴行を加えようと計画します。
しかし、そこに偶然ですがテウタの親友・ルカが来てしまいます。
ゾラは計画を変更してルカに暴行を加えようとしますが、騒ぎを聞きつけたアダムが来て、ルカを助けてくれます。
ルカには逃げるよういい、アダムは大親友であるテウタとルカを守るためにゾラを殺してしまいました。
アダムの家は裕福な家系でこのことを父に相談すると「任せておけ」と言われ、ゾラの死をもみ消しました。
かわりにアダムはルイ・ロペスへと入会することとなり多くの人と秘密を共通することとなります。
ルカはゾラに襲われたことを、アダムはゾラを殺してしまったことをテウタに黙っていたことを謝りますが、テウタはそんな二人を許しました。
テウタにとっては兄よりも大親友の二人の方が大切なんだなぁと思える印象的なシーンだと思います。
今まで共通ルートや個別ルートでもたびたび語られてきたゾラについてですが、まさかこんな最後に印象を覆されるとは思いませんでした。
今までいい兄という印象だったのですが、実際はとんでもないクズ兄だったっていう…。
そしてテウタに今まで黙っていた二人もつらかっただろうと思います。
ルカは警察で性犯罪について熱心に捜査しているという背景はここからきていたんですよね。
そう思うと本当にこの幼馴染三人組がかわいそうでなりません。
そしてもう一つの真実。
アダムの体は病魔にむしばまれており、ついには幻覚が見えるまで悪化している状態でした。
しかしそのことは大親友の二人には伝えていません。
大親友だからこそ言えなかったのかもしれません。
共通ルートや他のルートでもアダムは特にテウタのことを気にかけています。
ルカにも暗に「告白しないのか?」ということを聞かれますが、「テウタが幸せならそれでいい」と言います。
個人的には本当にアダムはテウタの幸せだけを願っているし、それを叶えるのは自分ではないと思っていると思います。
アダムは正義のためとはいえ、ゾラを殺してしまっているし、その罪を償ってもいません。
なのでアダムの中では自分はテウタを幸せにできないと思っていると感じました。
しかも病気も悪化していっているので、自分と長くいることはできないとも思っているのではないかと思います。
最後のテウタと一緒に車に乗って移動するシーンでテウタはアダムが眠ってしまったと思っているようですが…実際はどうなんでしょうね?
どちらともとれるような終わり方となっているので何とも言えませんねぇ。
しかし最後のエンディングシーンで今まで一緒に歩いてきたテウタとルカは前に進んでいたのにアダムだけ途中で止まって一緒に進めない…という終わり方をします。
そこから察するに今ではないかもしれないけど、もうテウタとルカと同じ道は進めないという暗示なのかなと思いました。
この終わり方は結構賛否両論あるみたいで「最悪のエンディングだ!」と言われることも多々ありますが、個人的には嫌いじゃないです。
アダム本人が病気を受け入れ、それを償いだと思っているんだったら受け入れるしかないんですよね。
表で暴ききれない悪を正すということは少なからず、こういう側面も持っているというか必ずしもすべてがハッピーに終わるわけではないという感じがバスタフェロウズっぽいのかなと思います。
このルートを終えればほぼ全ルートクリアというかたちになります。
どのルートも出来がよくて、乙女ゲームだと全部のルート気に入るというのはなかなか難しいのですがバスタフェロウズは全ルート満足のいく内容となっていました。
またサスペンス部分もしっかりしていて、まるで海外ドラマを見ているような満足感でした。
立ち絵の種類も多く、スチルもきれいなので大満足でした!